事例紹介 ---- S工業株式会社様
S工業株式会社様は電気・電子部品の製造販売会社です。ハーネスやコネクタなどを取扱い多品種の製品に対応しています。
S工業株式会社様では約10年にわたって楽一をお使いでした。
楽一は大変使い勝手の良いシステムでしたが、導入後10年が経過し、いくつかの問題点が出てきていました。
【問題点】
- 売上情報を抽出し、パソコンで利用できない。
- 商品のメンテナンスが難しいため、2万点以上に上る商品の整理ができない。
- 「商品略号」による分類分けがネックとなり、また、一覧表示の件数が少なく、特定の商品の選択が困難となってきた。
- システムの拡張がしづらく、いろいろな業務が重なってしまい、繁忙時期に業務が滞ってしまう。
これらの問題に対処するためにシステムを更新することになりました。
商品点数が多いことや指定伝票がある等の理由でパッケージシステムの利用が困難なため、システムをオーダーメードで作成することになりました。
【データ移行】
システムを更新するに際しての最大の問題点はデータの移行でした。
これまでに楽一で登録してきた顧客情報,商品データ,取引明細をどのように新システムに移行するかという問題です。
楽一ではデータを外部出力する機能がないため独自で移行せざるを得ませんでした。
【商品情報】
何よりも問題なのが2万点の商品情報です。
この機会に商品情報に関して精査してみたところ、不思議なことに気づきました。
確かに商品点数は2万点以上登録されているのですが、そのうちよく売上げたり仕入れたりする主要の商品は1千点程度で、日常的に入出庫の変動がある商品も2・3千点に過ぎないようです。
他の商品は1回しか取引がされなかったり、現在扱っていない商品であることがわかりました。また、2重3重に同じ商品を登録し、実質的に「死にデータ」が膨大な量であることが解りました。
システムを更新するこの機会に「死にデータ」を切り捨てスッキリした状態でスタートさせようということになり、商品情報は移行しませんでした。
【得意先/仕入先データ】
得意先と仕入先情報はExcelのデータになっていたため、そのまま利用できました。
取引明細については請求書を出力した後はは必要性も低いため、締日ごとに順次移行することにしました。
新システムでは、これまで楽一では行っていなかった在庫管理を行うため、商品の新たな見直しを行いました。
そのため新システムの稼働前に2千点程度の商品をExcelにピックアップします。新システムではこのExcelデータを取り込みスタートすることになりました。
そのため、新システムスタート時には既に主要商品2千点が登録されており、大きな混乱もおこりませんでした。 当初は商品情報の新規登録と並行作業でしたが、2カ月もすると主要商品はほとんど登録されることになりました。
【元帳処理】
楽一では、得意先台帳と仕入先台帳は毎締日ごとに追記記帳していました。
この楽一の台帳追記記帳は用紙の無駄もなく便利でしたが、新システムでは画面の参照が瞬時にできるので台帳追記をやめてしまいました。新システムでは、締日までは画面問合せを行い、締日単位で一括出力を行っています。
おかげで、追記記帳時に画面に指示された元帳をいちいちプリンターに挿入する手間がなくなり、グッと楽になってしまいました。
新システム導入後2年近くたちますが、大きな混乱もなく日々の業務に対応できています。 新システムでは、「誰にでもわかる標準的な機能・操作」をコンセプトに設計されているため、担当者が替わっても新しい担当者が操作上困ることはありません。
S工業株式会社様のご担当者とシステムメンテナンスのために訪問するパイナポロの技術者の間で、システムの機能向上に向けて継続して打合せが持たれさまざまな改良が加えられています。